2020年2月下旬、日本のPMDAと富山県は、国内最大の後発医薬品メーカーの主力拠点である日医工富山第一工場に対して初の抜き打ち検査を実施した。そこでGMP違反の疑いが発見された。同社自身の追加調査と外部法律事務所による調査により、組織的な2件の違反が確認された。すなわち、出荷試験に不合格となったロットを廃棄せずに出荷していたこと(少なくとも2011年まで遡る慣行)、そして安定性試験が2009年頃から省略または後回しにされていたことである。

第三者報告書は、明確な指揮命令系統を明らかにした。生産担当の執行役員が工場長に対し、不合格ロットの廃棄を避けるよう指示し、その命令が逸脱管理責任者に伝達され、同責任者が書面手順を覆す「逸脱会議」を運営していた。安定性試験の省略は秘密ではなかった。工場の品質委員会は2013年6月からこの問題を共有しており、内部監査も2019年度に指摘していた。不適切な指示を出した管理者は後に品質担当の執行役員に昇進した。

結果は深刻だった。2020年4月から2021年1月にかけて、日医工は同工場で製造した75製品を回収した。同工場は他社の受託製造も行っている。2021年3月3日、富山県は同工場での32日間の製造停止と、同社の製造販売業の24日間の停止を命じた。県はこれを過去の基準から見ても重い処分と評した。当時、健康被害は報告されていなかったが、この発覚は日本の後発医薬品供給に対する信頼を大きく損なった。

75製品を回収、工場は32日間、会社は24日間の停止、品質危機で業績が悪化した後、2022年12月までに事業再生ADRを実施

患者より利益が優先された。出荷試験だけが重要視され、安定性試験はその下位に位置づけられ、計画から静かに外された。

命令は上層部から下った。生産担当執行役員が工場に対し不合格ロットの廃棄を避けるよう指示し、逸脱会議がそれに従った。

誰もが知っていた。品質委員会は2013年から試験省略を議論し、内部監査も指摘していたが、権限を持つ者は誰も行動しなかった。

委員会が挙げた根本原因は、全社的なコンプライアンス意識の低さであった。GMPを免許保持の条件ではなく書類仕事と捉えていた。

生産、試験、逸脱審査を一つのヒエラルキーが握ると品質は腐敗する。内部監査は規制当局より1年前に試験省略を指摘していたが、抜き打ち検査があるまで何も変わらなかった。

岩本紳吾社長は業務停止処分を受けて報酬を減額した。2021年10月、卸売業者のメディパルホールディングスが品質管理を強化するため日医工と資本業務提携を結んだ。業績は回復しなかった。2022年12月28日、同社の事業再生ADR(裁判外の債務整理)が正式に完了した。この不祥事は、老舗メーカーの廣貫堂が独自の行政処分と36日間の生産停止を受ける中で、富山が掲げる1兆円の医薬品クラスター構想にも傷をつけた。

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出典

  1. Nichi-Iko ordered to suspend business after string of voluntary recalls Nikkei · nikkei.com ·
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