コモンウェルス銀行(Commonwealth Bank of Australia、CBA)は同国最大の銀行である。2012年から2015年にかけて、顧客が現金を預け入れるとほぼ即座に口座へ入金されるATM「インテリジェント・デポジット・マシン」を導入した。この機械は、取引が報告用に記録される前に資金を計上するよう設定されており、同行のシステムは法律が要求する報告書を一度も生成しなかった。

オーストラリアのマネーロンダリング対策・テロ資金供与対策(AML/CTF)法では、1万豪ドル以上の現金預金は金融情報機関AUSTRACへの報告が義務付けられている。CBAはこうした取引約53,700件を報告しなかった。また、その背後にある口座のリスクを監視・評価することもなかったため、本来精査の対象となるはずだったパターンが何年も見過ごされた。

2017年8月、AUSTRACは連邦裁判所に訴状を提出した。同機関が提起した民事制裁金訴訟としては史上最大のものだった。CBAは違反を認め、事実関係に同意した。2018年6月、連邦裁判所は7億豪ドルの制裁金を科した。これは当時、オーストラリア企業史上最大の民事制裁金だった。

この事件は今やコンプライアンスの定番の教訓となっている。スピードのために作られた製品が、法律上必要な報告機能を備えないまま投入され、その管理上の不備が何年も発見されずに放置されたのだ。請求額は預金のコストではなく、自社の機械が何をしているかを把握していなかった銀行のコストだった。

この機械は現金を記録する前に入金処理していたため、義務付けられた報告が一度も発動しなかった。7億豪ドルの制裁金は、その欠落したステップのコストだった。

インテリジェント・デポジット・マシンは、取引が記録される前に現金を入金計上するよう設定されていたため、法律が要求する報告のステップが一度も行われなかった。

CBAは、AUSTRACへの義務報告の閾値である1万豪ドル以上の現金取引を約53,700件報告しなかった。

同行は預金の背後にある口座を監視せず、リスク評価も行わなかったため、不審なパターンが何年も精査されずに放置された。

この管理上の不備は2012年から2015年まで発覚せずに続き、一つの設定上の選択がオーストラリア企業史上最大の民事制裁金へと変わった。

スピードのために作られた製品でも、法律が要求する報告を行わなければならない。管理機能を備えずに機械を投入すれば、規制当局は何年も後にそのギャップに記録的な規模の値段を付けることになる。

この制裁金は、連邦裁判所が2018年6月に科した時点でオーストラリア企業史上最大の民事制裁金だった。同行の最高経営責任者は同年前半に辞任し、CBAは金融犯罪対策とコンプライアンスのシステム再構築に多額の費用を投じた。この事件は、報告前に入金処理するという製品設計上の選択が、対応する管理機能を欠くときに企業規模の規制上の責任となることを示す例として、AML教育で引用されている。

出典をたどる

出典

  1. AUSTRAC — Enforcement actions taken (Commonwealth Bank of Australia, A$700M civil penalty, 20 June 2018) austrac.gov.au
  2. AUSTRAC — Commonwealth Bank of Australia Statement of Claim (filed in the Federal Court of Australia) austrac.gov.au
  3. Commonwealth Bank of Australia — Wikipedia (53,700 unreported transactions, A$10,000 threshold, AML/CTF breaches) en.wikipedia.org